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神戸市12年度予算案

2012年02月22日

空港関連に38億円などムダづかいは継続

こどもの医療費3歳未満児まで通院無料に

神戸市が発表した2012年度当初予算案は、一般会計7344億3400万円(前年度比107億9500万円、1.4%減)、特別会計7040億2600万円(同316億3700万円、4.3%減)、企業会計3615億2800万円(同39億7300万円、1.1%減)、合計1兆7999億8800万円(同464億500万円、2.5%減)となっています。
予算案について矢田市長は「すべての市民の暮らしを守り、安心して生活できる社会を実現するとともに、神戸のまちを『ともに分かち合い、新たな価値を創造する、希望にあふれた絆のまち』にするという決意」で編成したとしています。しかし、今後も「行財政改革をさらに一歩推し進める神戸市行財政改革2015を断行」するとしており、従来どおりの政治姿勢を継続するとしています。
予算案の中身は、市長自身が「最重要課題」とする保育所の待機児童解消は、民間任せの姿勢を変えていません。災害公営住宅からの入居者追い出しをすすめる「第二次市営住宅マネジメント計画」も推進するとしています。生活保護世帯に対する「就労支援」「長期入院患者への退院支援」という名目で、受給抑制を図ろうとしています。また、福祉パスをICカード化することと合わせて「制度のあり方を検討する」としており、敬老パスに続いて改悪される可能性もあります。介護保険料基準額は560円アップの5200円とされています。
他方、医療産業都市構想に30億円、神戸空港事業促進に38億円、新長田駅南地区復興市街地再開発事業に6億円、国際コンテナ戦略港湾関連に63億円など、市民から強い批判が出ているムダづかいはそのまま継続しています。神戸空港の運営は新年度も赤字です。開港前には「雇用も神戸経済も潤う」などとバラ色の宣伝をしていましたが、現実は全く逆。新年度予算案でも、新都市整備事業会計から空港事業に9億円もの支援をしています。空港島の土地は全く売れず、借金返済のめどは立っていません。新都市整備事業会計の資金も減少しています。本来、この資金は、市民の暮らしを守るために使うべき貴重な財源です。空港の存続経費ではありません。
また、早急な改善策が求められている雇用問題でも、国の「緊急雇用創出事業臨時特例交付金」などの活用が中心です。産業振興策でも、医療産業都市関連企業の誘致策がメイン。中小企業支援は、融資がほとんどです。市内製造業への設備投資を支援して「市内製造拠点の空洞化、市外流出を防ぐ」としながら、一方で、中小企業の海外展開支援事業を新設して、産業の空洞化につながるとりくみをすすめようとしています。神戸経済を活性化するためには、市内の中小企業の仕事づくり、安定雇用を増やす対策が欠かせません。そのためにも、三菱重工神戸造船所の商船部門存続、富士通テンの撤退中止などが求められますが、企業に社会的責任を求める姿勢は見えません。また、外郭団体見直しについても、莫大な累積赤字を抱え、市民から「運行中止を」との批判が強く出ている海上アクセスについては、民事再生法によって、神戸市からの出資金、貸付金を紙くずにしてまでも存続させるとしています。他方、住宅供給公社は解散させるという矛盾した対応をとっています。

■市民の運動の成果も反映

市民の切実な要求も、いくつか予算化されています。中学校給食を求める声に押されて「中学生ののぞましい昼食のあり方」について検討が進められます。こどもの医療費無料化は3歳未満児に拡大され所得制限も緩和されます。生活道路の改修などの予算も増額されています。小規模事業者向け融資の信用保証料について融資額500万円以下の全額公費負担が継続されます。神鉄粟生線存続にむけて無利子貸し付けなどの支援、地域住民による自主運行バス等の調査もするとしています。全小学校の図書も拡充されます。学童保育では、過密・過大規模施設の解消と同時に、スペースに余裕のある学童保育クラブでの4年生の受け入れも進めるとしています。

■市長は、市民が何を望んでいるか真摯に考えるべき

矢田市長は新年度予算案についての説明の最後に、ケネディ元アメリカ大統領の「国があなたのために何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国のために何ができるのかを問うべき」という言葉を引用、「(これを)我々のめざすべき精神に据え…進んでいこうではありませんか」と表明しています。しかし、「神戸市が市民に何をできるか、何をしてはいけないか」ということを、真摯に考えるべきではないでしょうか。