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地元で頑張る中小企業への支援こそ(一般質問:味口)

2014年10月28日

「大企業・誘致企業偏重」を批判

味口としゆき議員が一般質問

 10月28日に開かれた神戸市議会定例本会議で、日本共産党の味口としゆき議員が一般質問に立ち、大企業・誘致企業優先の経済対策、過密校対策、借上住宅問題などを取り上げ、久元喜造市長の政治姿勢をただしました。

久元市長は「都市間競争」を口実に、エンタープライズゾーン条例を「改正」し、誘致企業にたいし最大で8億円の税の減免のほか、集積促進補助として5億円も助成するとしています。さらに、オフィス賃料補助では、一企業に最大4億5千万円の補助をするとしています。神戸市は、同条例改正後に誘致した13社のうち10社は中小企業だとしています。ところが、10社の内6社は大企業が100%出資している子会社またはグループ企業です。また、他の3社も外国に工場や法人をもっていたり、900人の社員をかかえるなど「力のある中小企業」です。

味口議員はこうしたことを指摘し「条例改正で恩恵を受けているのは、大企業もしくは、力のある中小企業であり、苦境に立っている中小企業はほとんど恩恵を受けていない」として、市長の見解をただしました。

狭くて走ることができない運動場

保護者や教職員などから、小中学校の過密解消を求める声が出ています。現在、小中学校合わせて30校で仮設校舎での授業がおこなわれています。運動場が狭くて、走ることもボール遊びもできない学校も出ています。

ところが、教育委員会は①将来、子どもの人数が減るので仮設校舎で対応する②校区調整によって学校の適正規模化をすすめる、という立場で、学校を新設しようとはしていません。味口議員は、文部科学省の設置基準に定められている運動場の面積を下回っている学校がどれくらいあり、どう解消しようとしているのか見解を求めました。

公住法の精神逸脱と批判

阪神・淡路大震災の被災者らが生活する民間借上災害公営住宅。神戸市は、入居者らの「継続入居を認めてほしい」との声に耳を貸さず、退去を迫っています。神戸市はその根拠として、公営住宅法第32条6項で「公営住宅の借上げの期間が満了するとき」には、退去を求められるとなっていることをあげています。しかし、同法25条の2項では「借上げの期間の満了時に当該公営住宅を明け渡さなければならない旨を通知しなければならない」と、事前通知の必要性が明記されています。多くの入居者は入居時「20年の期限や退去の義務などは聞いていない」と言っています。神戸市自身も、入居時に説明してこなかったことなどを認めています。味口議員はこうした経過も示しながら「公営住宅法32条の条項のみで入居者に転居を迫ることができるとする市の考え方は、法の精神から逸脱しているのではないか」とただしました。

▲答弁とその後の質疑から▲

質問に対し企業誘致等に関し、久元市長は「特定企業ではなく、意欲的な企業に規模を問わず支援する。認定した13社の内、中小企業は10社、大企業が3社だ。神戸市の企業が海外展開するのは結構なことだ」などと答えました。

神戸市が誘致した企業に㈱武蔵野フーズ(武蔵野グループ)があります。減税、補助金、土地の割引などで35億円も助成することになります。同社は、コンビニで売っている食パンをつくる企業で、神戸での従業員は190人。神戸市はパン産業を「神戸の地場産業」と位置づけています。市内のパン製造小売りの従業員数は1929人(07年)、武蔵野フーズの10倍です。味口議員は「武蔵野フーズに35億円も助成するなら、市内のパン業者に350億円助成するのか」と、誘致企業偏重の支援策を告発しました。

質問に対し玉田敏郎副市長は「コンビニで買うか、おいしいパンを買うかは嗜好の問題。それぞれの企業に頑張ってもらう。新しい企業が来て神戸の活性化が図れる、既存企業についての育成策はやっていく。車の両輪で、誘致企業支援に偏重していない。減税などは投資効果がある」などとこたえました。

味口議員は「片輪走行そのものだ」として、地場産業の競争相手に多額の助成をするなど誘致企業偏重の姿勢を改め、本当に困っている地元業者を直接応援する施策に転換すべきだと指摘しました。

過密校対策の質問に対して、雪村新之助教育長は「市内の生徒は減少傾向で、震災前より2割減少している。一部増加しているところでは教室数が不足しており、仮設や校舎の増築で対応している。文科省が設置基準をつくったのは平成14年度で、それ以前の学校については遡及適用されないので、仮設校舎で対応している学校はすべて適用対象外だ。仮にそれらの学校に設置基準を当てはめると15校が下回る。学校によっては運動場をできるだけ活用したいと3階建てにしている。既存の運動場拡張は、隣接に用地がないことからむずかしい」などと答えました。

小中学校の設置義務者は地方自治体です。遡及適用されないからと、狭い運動場を放置していいということにはなりません。味口議員は「走ることもできない。ボール遊びもできない、運動会も別の場所を借りてやっているというような状態は早急に改善すべきだ」と迫りました。

雪村教育長は、まともに答弁せず「仮設校舎をあえてプレハブと言っているのかもしれないが、多くは長期使用でき、本校舎とそん色ない。教育環境が悪化しないように努力している」などと答弁。

しかし、HATこうべにある、なぎさ小学校のプレハブ校舎は、建てられてから7年が経過しています。10クラスが授業をうけていますが、老朽化も進み、床と壁にすきまができ、2階の水が1階にもれてきたり、隙間から折り紙が落ちてくるという事態も出ています。一方、神戸市は、東部新都心の整備にあたって「HAT神戸まやウォーターフロント東部新都心街なみ形成ガイドライン」という基本方針を定めています。この中には、街なみ形成イメージ図もあり、きちんと小学校用地も指定されています。

味口議員はこうしたことを示しながら「来年は、大震災から20年になる。HATこうべのまちびらき15周年でもある。市長の決断で、プレハブ校舎はなくなり運動場で思いっきり運動できました、と言ってもらえるように取り組むべきではないか」と市長に見解をただしました。しかし、久元市長は答弁に立たず、雪村教育長が「付近に新たに予定されているマンションなどの情報収集を進めている」「教育環境の整備は様々工夫したい」などと答えました。味口議員は、情報収集している時ではないと厳しく批判し、用地も確保されているとして学校建設を強く求めました。

過密校対策では西区の井吹台中学校も同様です。中学校用地も確保されているにもかかわらず、将来、生徒数が減るからという理由で建設しようとしていません。井吹台中学校のある西神南ニュータウンは、国際港都建設計画の一環として進められています。同計画は半年ごとに政府に報告書を提出することになっており、国会にも報告されます。その報告書の「公益的施設用地」の欄には「教育施設として小学校3校、中学校を2校…配置する」と明確に記されています。

味口議員は「国会に報告される文書に中学校を建設すると書かれている。当然、建設すべきだ。市長名で出された報告書だ」として市長に答弁を求めました。

久元市長は最後まで答弁に立つことなく、雪村教育長が「中学校を建設するには整備指針がある。ニュータウンは将来的に生徒が減少する。そうなるとデメリットもあるのでそれは避けたい。グラウンドは早急に対応する」などと答えました。

味口議員は、国や国会には建設予定と報告しながら、地域ではオールドタウンになるからと建設しないという姿勢を「生徒や保護者の声に背を向けるやり方だ」と厳しく批判、中学校の新設を求めました。

借上住宅の質問に対して鳥居聡副市長は「入居募集パンフには20年間の期限を明記している。一部、入居許可書に記載ないものがあることは市として認識している。期限は明記されており32条で請求は可能だ。市としては、32条でお願いしているのではなく、ご希望される市営住宅に住み替えていただきたいと、意見を聞いている」などと答えました。

味口議員は国交省の担当者は「32条6項の公営住宅の借上げの期間が満了するとき、という条項のみで退去させることは出来ない」「32条6項のみで退去させることができるとしたら、第25条の2項に定めている『借上げの期間の満了時に当該公営住宅を明け渡さなければならない旨を通知しなければならない』という条項の意味がなくなる」と明確に言っていると指摘、神戸市のやり方は公住法の精神から逸脱していると批判しました。鳥居副市長は「国の見解は承知していない。弁護士と相談している」などと開き直りの答弁。味口議員は、国交省の住宅局住宅総合整備課の文書にも同趣旨が書かれていることを重ねて指摘、こうしたひどいやり方は是正するよう求めました。